続けざまに犬の写真を。
チャッピーという名の柴犬です。
四コマ漫画のよう。
お互い気になっているはずなのに目が合わない。
主にオリーブが目を反らしている。
仲が悪かったという訳ではないのだけれど。
なぜか仲良しにはならなかった。
不慮の事故だった。
事故の当時一緒にいた祖父から一報を聞いて。
聞いたときは混乱して何が何だか分からず呆然としていた。
しばらくして父から電話があり、現実だと分かって、
堰を切ったように涙が、感情が溢れ出した。
父からの電話を切ったあとも涙は止まらなくて。
脱水症状になるかと思った。
その日はバイトに入っていたのでとりあえず店に向かった。
向かう途中も涙は止まらなかった。
駅まで歩く道も、電車に乗っている最中も。
端から見たら異様な光景だったのだと思う。
でもそんな事はどうでもよかった。
偉いもので、バイト中は悟られることもなく笑顔で働いた。
「目腫れてるけど、泣いてたの?」
と、冗談で聞かれたときは焦ったけれど。
「そうだよー」
と、力なく笑って切り抜けた。
バイトが終わってから実家に向かった。
チャッピーは腐らないように氷の入った袋と、お花と一緒に箱に入れられていて。
見ただけだと、ただ眠っているようで。
これだけ目の当たりにしても死んだ実感なんて湧かなかった。
でも触ると剥製のように硬くて。
やっぱり死んだんだなって、悲しくなった。
その後は何度も死んだ事を忘れて、
「次に実家帰るときはチャッピーと散歩行こう」
とか考えてて。
直後に死んだことを思い出して。悲しくなっていた。
チャッピーは本当に綺麗な犬だった。
顔も毛並みも美しく、犬くさい臭いもなかった。
僕が散歩に連れて行くと全力疾走するくせに、
祖父や祖母が散歩に連れて行くときはゆっくりだった。
こんな風に思い出したら悲しくなる事は分かっていたのに。
多分、弱っているのだろう。
「誰かに会いたくなるのは弱っている証拠だ」
と、誰かが言っていたから間違いない。
『犬派か猫派か』という質問がよくあるけれど。
どちらかというと僕は猫派だと思う。
まして柴犬が特別に好きという訳でもない。
チャッピーという個体が特別に好きだったのだ。
人生の半分は一緒に過ごしたのだから無理もないだろう。
たまには化けて出てきてくれてもいいのにな。
早く会いたいけれど、今は懸命に生きよう。
どこかで見守ってくれていると信じて。
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